◆好きな看護師さん。

家族が半年ほど入院をしています。
ほぼ毎日病院に行っていますが、「感じがいいなあ」と思う看護師さんが何人かいます。


どの看護師さんもみなさん、懸命に看護してくださいます。
でも、やはり好き嫌いが出てきます。


「何が違うのだろう?」
と思いながら、ある看護師さんが他の患者さんの看護をしている様子を眺めていました。


その看護師さんは常々「感じがいいなあ」と思う看護師さんなのですが、彼女を観ていて気がついたことがあります。



◆相手に同調。

彼女を観ていて気がついたこと、それは「同調している」ということです。


その看護師さんは患者さんの言葉を否定しないのです。
どんな時でも患者さんの言葉を受け入れて、同調してから、自分の考えを説明するのです。


コミュニケーションとして「YES AND」型なのです。


「YES AND」型は相手の会話を一旦「そうですね。」「その通りですね。」「ええ。」と受け入れて、それから「そして・・」「だから・・・」と自分の意見を伝える技術です。


以前、ある人と話していて「ど〜も、この人とは話にくいなあ・・・。」と話している間中、感じたことがあります。


人は良いし、性格も良い人なのにその時も「なぜだろう?」と思ったのですが、後で考えると彼の話し方のある癖が気になったのです。


彼の口癖は「っていうか・・・・。」なのです。


例えばこんな会話になるのです。
(私)「新しくオープンしたあのお店は安いねえ。」
(彼)「っていうか、一品一品の量も少ないですよね。」
(私)「味はまあまあかな。」
(彼)「っていうか、ファミリー向けなのであんな感じになるんでしょう。」
(私)「個室になっているから子どもが騒いでも親は安心だね。」
(彼)「っていうか、最近、多いですよね。ああいうタイプのお店は。」


上記は、極端に例示しましたが
こんなコミュニケーションになるのです。
(彼)は私の意見に同調しているのですが、会話の入り口が「っていうか、」という「BUT=しかし、でも」という単語で始まるので、会話のリズムがおかしくなってしまうのですね。


上記の会話の(彼)の「っていうか、」の部分を「そうですね」とか 「ええ」という他の言葉に置き換えると次のようになります。


(私)「新しくオープンしたあのお店は安いねえ。」
(彼)「そうですね。一品一品の量も少ないですよね。」
(私)「味はまあまあかな。」
(彼)「ええ、ファミリー向けなのであんな感じになるんでしょう。」
(私)「個室になっているから子どもが騒いでも親は安心だね。」
(彼)「その通りですね。最近、多いですよね。ああいうタイプのお店は。」


(私)の意見をいったん「受け入れて同調している」のでコミュニケーションとしてすっきりしますよね。



◆ビジネスでもYES AND型。

冒頭で紹介した看護師さんもこのように患者さんの意見をいったん「受け入れて同調して」から患者さんに声を掛けるのです。


(患)「お尻が痛い!」
(看)「そうなの。お尻が痛いの?」
(患)「ずっと、同じ姿勢だから痛くて痛くて仕方がない。」
(看)「それは痛いねえ。」
(患)「手が使えると身体を動かせるけど、今は手が痛くて動かせない。」
(看)「そうね。じゃあ、午後からのリハビリで少しずつ手の運動もしていきましょうね。
ちゃんと手も動かせるようになるから。がんばろうね。」


相手を受け入れてから、自分の意図する方向へ相手をうまく誘導しています。(もちろん看護師さんは激務なので全ての患者さんにこのように対応することは難しいと思いますが・・。)


ビジネスマンも商売人もお客さんとコミュニケーションを取る仕事です。

あなたの会話の「癖」は「っていうか」型ですか?
それとも「YES AND」型でしょうか?